相続の流れ

身内に不幸ができてしまうと言うことは、とても悲しいことです。
体の一部を失ってしまったかのような感覚にさいなまれることもあるでしょう。
しかし、その身内が近しい続柄であればあるほど、悲しんでばかりもいられないことも多くなります。
葬儀や埋葬と言った問題が一気に押し寄せてくるからです。
それらを滞りなくこなしてこそ、故人もうかばれると言うものですよね。

そんな身内の不幸の際にとくに大変なのは、やはり「相続」です。
葬儀や埋葬は故人がお亡くなりになって間もないうちに早急に片づけることが必要ですが、逆に言えば早急に対処可能なことでもあります。
一時的なものなのです。
しかし相続と言うものは、故人がお亡くなりになってからしばらくの間、遺族の頭を悩ませることも多くなります。
どのような形で相続するべきなのか、そもそもどこでどのように手続きをするべきなのか、慣れないことですので対応も難しいですよね。
そこで今回の記事では、相続が発生した場合の流れを大まかに解説します。
もしもあなたが相続問題で頭を悩ませているのであれば、ぜひ参考にしてください。

相続が発生した場合にまず行うべきこと、それは「相続するか否かの決定」です。
よく「親が亡くなったら子供はその財産を相続するのが当然、義務である」と思っている人もいますが、それは間違いです。
相続には「相続放棄」という手段も存在しており、それを行うと相続人としての権利を放棄することが可能となります。
もちろん、故人が残した財産がプラスになるものばかりであれば、なにか特別な事情がない限り相続放棄と言う選択肢はほとんど選ばれません。
しかし、人は必ずプラスの財産ばかりを残して亡くなるとは限りませんよね。
負債を抱えたまま亡くなることもありますし、保証人を引き受けたまま亡くなることだってあります。
そのようなマイナスの財産がある場合、もしくはマイナスの財産があることが予想される場合、相続放棄と言う手続きを選ぶ人が多いのです。

仮に相続放棄を選択するのであれば、相続はそこで終了です。
裁判所に必要書類を持参して手続きをするだけです。
しかし「相続をする」と決定した場合は、ここがスタートラインになります。

相続をすると決定した場合、まずは「遺言状の確認」をしましょう。
遺言状と言うものは相続において絶対的な効力を持っています。
たとえ血縁の子供が存在していたとしても、遺言状に「全て甥に相続する」と書いてあればそれが優先されるのです。
遺言状の有無は最優先確認事項であると言えるでしょう。
相続が難しい場合は成年後見人などの確認も必要です。

遺言状が存在しなかった場合、法定相続人の確定を行います。
これは相続人全員に確認する必要がありますので、自分の知らない相続人が存在していないか、戸籍などでよく確認する必要があります。
法定相続人が確定したら、相続財産の調査を行い、遺産分割協議を行いましょう。

この協議の際、どのような形で相続するかも決定しておく必要があります。
相続には単純承認、限定承認、相続放棄といった選択肢がありますが、限定承認を行う場合は相続人全員の合意が必要となります。
このいずれを選択するかが相続の最重要ポイントになりますので、しっかりと考えましょう。
ちなみに限定承認と言うのは、相続人にマイナスの財産が有った場合、その返済にプラスの財産を当てて、余ったプラスの財産を相続すると言うものです。
プラスの財産がマイナスの財産に及ばなかった場合には、差し引いたマイナス分を相続する必要はなくなります。
プラスの財産があることは確定しているけれど、マイナスの財産が有るか否かが不明であり後から出てくる可能性がある場合などに、主に用いられる選択肢です。
単純承認は単純にプラスもマイナスも相続する方法になります。

単純承認、限定承認、相続放棄、この選択肢のどれを選ぶのかは非常に重要で良く考える必要があるのですが、期限があるのも忘れてはなりません。
自分が相続人であることを知った日から3カ月以内に決定しないと、単純承認を選択したものとみなされてしまいます。
限定承認を選択した場合はその申述が必要となりますので、3カ月以内に裁判所で申述しましょう。

どのように相続するかを決定したら、次は相続に関わる手続きです。
相続税の申告や被相続人の所得税の順確定申告などは必要に応じて行うべき手続きですが、遺産分割協議書、(誰にどの財産をどれくらい分配するのかを決定した書面)はほとんどのケースで必須となりますので、作成しましょう。

それが済んだら、必要に応じて相続登記を行います。
相続登記とは、簡単に言うと不動産の名義変更になります。
つまり不動産の相続がない場合は必要ありません。
不動産を相続した場合、その財産額は非常に高額になることが多いですよね。
そうなると必然的に相続税にも関わってきます。
相続税の申告は10カ月以内に行う必要があるので、実質的に相続登記も10カ月以内に行う必要があると言えるでしょう。
相続登記についてもっと詳しく

以上が「相続」に関わる部分の一連の流れですが、もっとも重要になるのは「相続するか否かの決定」でしょう。
最初に行うべきことであり、最重要事項であると言えます。
限定承認や相続放棄するさいは遺産を処分したり売却したり、手を出してしまうと単純承認したものとみなされてしまいますので、十分な注意が必要です。